これまで鶴来は素通りばかりで、菊姫を買いに行くでもなく蕎麦を食するでもなかった。本日、大晦日の予行としてソバ食い目的での鶴来行き決行。といっても車で30分だが。行き先に選んだのは草庵。建物が大きく古い民家で、白川郷の農家よりも小ぶりながら、柱とか梁とか重厚で、囲炉裏もある。さらに薪ストーブで過剰なくらい暖かくしてある。私は鴨せいろ。濃いダシの鴨鍋に盛りソバをつけて食べる。盛りソバは細めでカフェラッテ色。表面の粘性は高いが、少し噛むと脆くも口内で分解し、いつまでもネチネチ来ない。歯ごたえかなり強いが、噛めばすぐ分解する様は、まあ例えるなら、餅から一歩二歩煎餅のほうへ踏み込んだかのようでもある。生麩とは対極で、普通の麩を少し戻したとでも言えば良いのやろか。香りは店中がソバで、いきなりソバ茶が出たりもして、どこまでが今食べてるソバに由来して、どこからが雰囲気なのか判別しがたい。しかし心地よい香り。山椒などかけたく無い。鴨にも、添えられたネギにも満足。
糸公他3名は天ぷらそば。これは掛けそばと、別盛りの野菜てんぷら。ピッコロ嬢のかけそばを減つること半分くらい。こちらは、盛りよりも太くて色が濃い。カフェラッテよりむしろミルク入り普通のコーヒーに近い。紫系も入ってる。表面の舌触りは猛烈に粘っこい。鍋でうどんを炊き込んだ時のように。しかし、これも表層の話であって、ソバの奥では粘性は急速に失せて(たぶん半径の3乗に反比例してる)、中心近辺では水分を排除しがちな領域となっていき、そこでは脆くなっている。鉄筋コンクリートで粘っこい鉄と脆いが曲がりにくいコンクリートの2つの個性がすばらしく協奏しているようにして、ここでもネバさとモロさがうまいハーモニーを奏でている。それぞれがソバ中のどのような成分によるのか、興味は尽きない。出しの色も味も濃い。ミリン・カツオ系の甘味を欠くように思う。少なくとも都の基準では、これは関東風に近い。とはいえ、東京近辺の駅ソバほど黒々した液体で行水しているわけではないが。これはこれで野趣があっていい。というか、これこそが本来のソバであって、都では思いっきりアレンジして食べてるだけのことなのだろう。天ぷらは、ゴボウ・茄子・豆腐・銀杏・玉ねぎ・鞘エンドウなど多彩で、カラリと揚がっている。お代はいづれも1680円。いづれも高価だが、味も雰囲気も行くに値する。本日は、わざわざここへ行くために旅行を計画したので(車で30分ながら)、ミシュランの定義なら3つ星となってしまう。
同僚5人で客人をフレンチでもてなす。正確にはフレンチ・ベルギー(ワロン)。若きシェフがワロンで修行した後、金沢市鞍月(駅と港の真ん中くらい)でレストランを開いた。山に囲まれた都や同じ金沢でも城近辺との対比で言うと、このあたりは広大な平野に車社会が展開しており、アメリカみたいにも思える。店の駐車場ロットが随分広い。道も広く、良く整備されている。タクシー代金は恐ろしくポンポン跳ね上がる。まずシャンパーニュで乾杯。ノンヴィンテージ普及品を予め電話で頼んでおいた。緑のエチケットだったが醸造元は忘却。5000円のコースだったが5皿くらいは出てきた。野菜は鮮度・彩・形・盛り付けのいづれも印象的だった。クラブケーキみたいな感じのカリカリした固まりの中身は、クラブではなくて、魚介類の混成だったと思うが詳細不明。説明があったはずだが、客人との対話に注力していて、耳からこぼれている。覚えているのは五郎島金時(さつまいも)から作られたスープ。これは甘みがちで旨いのだが、サツマイモの個性を感知できたかと言うと、こちらがそのようなコンディションではなかったのだった。メインはイベリコ豚のロースト(だったと思う)。ひとりだけイベリコではなくて北海道産を選択した。色のニュアンスがピンク優位vs白っぽいという違いがあったように見えた。デザートの盛り付けも凝っていた。5000円はお買い得。コーヒーはガリアなエクスプレス(エスプレッソ)と、ゲルマンな濃縮アメリカンの中庸を行く感じで、やはりこれもベルギーっぽい。
飲んだんは、
(1)Wiliam Fevre Chablis 1er Cru 2002 畑は多分Vaillonヴァイヨンだったと思う。 爽やか。酸味まずまず。少々ひねた苦味も混ざる。6000円台
(2)St-Roman 醸造元もヴィンテージも忘却。これはマコンのSt-Verranの隣村かと錯覚したが、コートドボーヌの奥まったところにある。ペルナンベルジュレスの隣。シャブリの次は何が良いかとスタッフ(シェフの細君でソムリエ)に聞くと、やはりブルゴーニュで続けるのがよろしいとの由。シャブリより何かが濃いような印象。5000円台
(3)Chasse-Spleen Rouge 2003 これは2003ボルドーらしく濃厚な味わい。甘さ渋味とも張り裂けそうに溶け込んでいる。2003年マルゴー酸のプレユールリシーンを思い起こした。良く似た味わい。喉が渇きそうに濃い。香りも充実している。新築住宅のような樽のにおいは消えて、果実の優った匂い構成になって来ている。
色: Blanc 白
名称: Aruga Branca Envelhecida 1990
アルーガ ブランカ エンヴェレシーダ
生産者: 勝沼醸造 Katsunuma
生産地(国): 甲州(多分) (日本)
Koshu(peut-etre)(Japon)
購入日: 2006/12/30
購入店: 米門(和食レストラン)
輸入元: N/A
購入価格: 600円 per glass
SBポイント: 76点
やっぱり大阪は都会や。特に西梅田の変貌は著しい。その上まだ再開発を続けている。名古屋に勝負挑む気やな。ハービス・エンテ内にある和食・米門へ。このビル内のレストランは繁盛していて、その多くに短めの行列が出来ている。何かファッショナブルな感じで、下の階にあるグッチなどの国際ブランドの店と相まって、何か外国へ来たみたい。特に、2年前に行ったクアラルンプルのモール(KLCC)と良く似ている。どこと無く高度経済成長の臭いが漂うのだ。これは、ここ20年ほど日本では(関西では)なかったことではないか。 そのファショナブルなゾーンへ「オモチャのチャチャチャ」などと歌いながらのピッコロ嬢はじめ、4人の到着。予約どおり奥の隔絶されたお座敷席(「コタツ」席)へ上がる。ここからはJR電車の行きかうのがよく見えて、これでかなり助かった。まずはモエシャンドン普通のノンヴィンテージで乾杯(1300円)。ランチコース5000円でもよかったのだが、夜用メニューを取り寄せてじっくり拝見した。すると牡蠣という品は存在せず、広島県○○漁港産カキしかない。馬は存在せず白馬しかいないみたいな話。もっともカキは、国中が感染でパニックになっているため扱いを中止しており、残念至極。食材の仕入れ先情報の提供がウリになってるみたい。夜のメニューのために昼時には炭火の準備には時刻尚早で、断念せねばならない焼き物メニューも多い。けど、あれこれ見ているうちに注文し始め、そうなれば最早ランチコースには戻れない。食材はいい物を使っている。アスパラガスサラダなど大きさと柔らかさを一挙実現できている。刺し身もネットりと粘性がある。かなり大型の海老フライとか地鶏の唐揚げとか、子供たちはかなり満足した。最期は糸公の好みで雲丹ご飯。夜に来て、あれこれもっと為したいところ。特に牛肉系統は品書きでは結構気合が入っていたので、気になる。
渋ワインは、グラスで白メルシャン(具体名忘れた;550円)とソア−ヴェクラシコ(詳細不詳;850円)。メルシャンはすっきり切れ味系だが、ソアーヴェはちょっとひねた匂い。これは意外だった。薄い黄緑色で細かな泡を伴っていると思いきや、弱い酸味の中に苦味も主張してくような味わいに、色合いもスモーキー。バターっぽい香りまで付いてくる。得した気分。ここのグラスワイン選択眼は合格点と思う。デザートに私が選んだるは、甘口ワイン。これは甘いシェリーみたいで、むしろ食前酒向きかもしれない。プロヴァンスのミュスカよりも口当たりが重いような気もする。色は褐色だった。セパージュは甲州種。驚いたのは、これが1990年産だったこと。拙宅の床下には1975年産のラインガウアウスレーゼが転がっているが、これは1986年に醸造元で買ったもの。甘口を10年転がして売るという文化のあることは知っていたが、これが本邦でも現実化していることを初めて知った。
また金沢。主計町とは、加賀藩の財務省があったあたりということだろうか。太郎は鍋料理専門店で、かつてはお茶屋だったがいまでは、気軽な魚なべ(おきすき;沖?)の専門店となっている。太郎は創業者が芸者だった時代の源氏名で、戦後、「鍋の将来性?」を予知して業態変更したらしい。主計町は東茶屋町・西茶屋町と並ぶ茶屋町であるが、太郎は唯一気軽なところらしい。建物よし、窓からの浅野川の景色よし、味よし、と文句なし。魚のよさは刺身でこそ本領発揮にて、鍋なれば甲乙の差付け難しと思いしが、食べてみると違う。最終段階のオジヤに至っても尚、やはり京都ではこうは行くまいと思わせる旨みがある。突き出しは、イカの白ゴマ・酢あえ。口内すきりとしたところで、鍋にかかる。と思ったら、中居さんが炊きに現れ、盛り付けも向こうでやってしまう。つまり箸をつつくことを避けている。我々の一団にはUSAからの客人(友人・同僚)も数人いて、この点もまた太郎を選んだ理由と幹事のたまう。しかし何よりも、よそわんでもエエのは楽ですな.。牡蠣・鱈などどっさり。粟製の餅もある。三つ葉・菊菜も新鮮。中居さんは、菊菜を炊きすぎんように上手にゆでる。菊菜はシャブシャブにせなアカンと言うことやな。主計町で菊菜のシャブシャブは暢気でよろしいが、何となく大蔵省のノー〇ンシャブシャブを思い出して笑ける。飲んだんはエビスビールと富山の酒を燗で。
昨年に続いて本年も、敬老の日弁当で父母を祝った。高島屋地下で調達した弁当4種類。たん熊・菊乃井(各5000円)は昨年と値段・中身とも同様。しかし忘れてしまっているので問題にならない。というより、たん熊の鰊茄子炊き胡麻和えとの再会を喜ぶべし。これだけは忘れない。記憶に残る逸品と思う。本年初登場は、美濃吉(3000円)と錦味(2000円)。おおよそ値段に比例して、大きさが違う。味はどうか。総合点では昨年に続いて「たん熊」優勢勝ちと思う。錦味も小粒ながら盛り付けと味の両面で健闘していた。しかし、4種類あって、中身もおせち料理みたいな感じで、あれこれ混合されていると食べ応えという面では、なかなか記憶に残らない。さらにピッコロ嬢が「海老ちゃん、海老しゃん」と叫んで、あちこちの海老を皿に集める。「やっぱり一つでいい」とか言ったところで、残った海老はどの容器から取り出したものか再現できない。てな困難を乗り越えつつ、何とか皿もグラスも割らずに終えたところで上出来と思われる。来年もまたこの行事を繰り返したいものだ。写真(クリックで拡大、字が読める)左縦長は美濃吉の、右横長は錦味のお品書き。たん熊・菊乃井は昨年掲載済み。
また金沢市へ行く。夜は同僚・仕事仲間計4人で近江町市場へ。当地で京都の錦に対応するカバード・マーケット。ある時まで中央市場やったらしいけど、さすがに手狭過ぎて、海に近いところへ引っ越した由。市場の小売店は皆閉まっており、昼間に定食の食堂やってるところが夜は居酒屋に変身、というのが2−3軒ある。変身しない食堂や回転寿司もあるが。変身組のひとつである近江町食堂へ飲みに繰り出す。昼間に電話で5000円のコースを頼んどいた。ここで5000円というと、どうも料理の質的上限のようで、残りは量が金額を満たしている感じがした。さもなくば、最後に出たにぎり寿司というのが説明しきれない。量の満足感は計り知れない。質的には、何の変哲も無い普通の赤いマグロが無性に美味しい。感動のクライマックスは、ぐじ(ぐち;甘鯛)焼き。まず、こんな厚みのあるグジをみたことがない。グジと鱧は、都人が中世にはイヤイヤ仕方なく食べ、近代にはワザワザ選り好んで愛でる食物(という解釈もあるらしい)ゆえ、子供時代以来これほど良く食べこんだ魚も珍しい。しかし、食後感としては、いつも近世的というよりは中世的だった。ところが、こいつは違う。味が濃い。肉も厚くて柔らかく、歯に挟まらない。ツルリと骨から外れる。もう食べる所ないと言えるくらいに骨だけにした。そやそや、小ぶりなズワイ蟹を丸っぽゆでたんが出てきたのを忘れてた。いつ頃採れたモンかはさておき。これとてグジの下では影が薄い。
飲んだのは、日本酒。加賀鳶・原酒(一合1000円)。美しい樽香。原酒は素晴らしい。梨のように甘く匂う。米から出来たとは思えない。マコンとかプーイーフュイッセみたいに錯覚。甘みの薄い皮膜が終始口内を潤す。しかし酸っぱくないのだなあ、渋ワインと違って。あたりまえやけど。しかし舌への圧迫感はある。アルコール自体の刺すような刺激もある。コクを感ずる。飲み干せば、甘みは影も形も無く、辛口の印象が残る。その辛口のみが始めから居座るのが、加賀鳶・辛口(一合600円)で、値段の差より味の差のほうがはるかに大きいと思う。他には、手取川・天狗舞。これらはアリキタリ。加賀鳶のあとでは、一口で真剣に味わう気力が失せた。
工芸品に見える。寿司については、ろくに何も知らないのだということを思い知らされた。寿司の技巧の多様性を知らずに食べていたこと、あたかも、押し出しと上手投げしか知らずに相撲を見ていたとか、ラグビーを観戦しながらボールを前に投げていいと思っていたとかの類の、いかにもありそうな話のごとし。寿司にも、素材原理主義というか、ネタを選ぶ段階で勝負は終わっていて、ネタにあまり手を加えずに出す流儀があると思う。一方、技巧派というか、ネタを仕込んであぶって味付けして加工する流儀もある。弥助は明らかに後者に属する。ところが、その加工の規模と深度が、従来のマイ規範をはるかに超えていたのだ。寿司を知る人には、そのような大規模な加工は常識に違いない。自らはそれを知らなかったということを知った、その理知的喜びは、味わいから得た官能的快楽を凌駕する。
ランチおきまり3500円で何品出たか忘れた。アラの昆布締め:アワビ:ウニやトロの超ミニ海鮮丼:トロをあぶったん:海老:焼き鰻きゅうり巻きなどに加賀味噌汁。どれも凝ってて味が濃い。ほとんど全て、醤油をつけずに、という言葉を添えて供される。ご飯は小ぶり。そこで追加。こはだ。これはちゃんと準備されている。というか、アジ系と注文したら、コハダならあるとのこと。これも濃い味。美しい銀色。直前にすだちを絞ってかけて出す。追加2つめは穴子。これは横長でよく炊き込んであるのか、身が膨らんで見える、それをオーブントースターであぶって、塩と山椒をまぶされて出てきた。弥助爺いわく、海の魚は塩を好む。全部で5000円。理知的にも官能的にも満足。
弥助爺さんは名人職人らしく、カウンターはファンと思しき人々で占められている。どうだ、としきりに聞いてくる。塩が効いてますなどと答える。どれくらいファンがいるかというと、今晩は井上靖が東京からわざわざ名人の寿司を食べに来るそうだ。そうか、金沢は井上靖ゆかりの土地だった。しかし、東京からではなくて、あの世からではないのか。お盆らしく。良く考えれば、井上ひさし、だった。なあーんや。
土日と働いて、昨日今日はちょっとお休み。お嬢のリクエストに応えて、ピッコロ嬢付きでランチへ。阪急は長岡天神駅前のイタリアン「イル・カントゥーチョ」。この近辺にて仕事している友人の薦めで、数年前に行って以来、数回食べてる。常に満足だったが、ある時、その友人が「シェフが変わった」と言う。味の変化に関するコメントなしに。変化と聴いて、良しか悪しかと考えてしまうのは、それこそ悪しき習慣であって、変化にはhow(in which way)を問うのみで言いのだ。というわけで問いに行って来た。
ランチフルコース2650円3人分。前菜:イタリア風刺し身(多分はまち)・室温クリームスープ・茄子ベーコン巻きチーズ和え・ツッキーニじゃがいもオムレツなど。どれもこれも以前のような酸っぱさがない。地中海系にインターラテン化されたと言う感じ。パスタ:アジとペペロンチーノ(白系)スパゲッティ(他にトマトソース系スパゲティとリゾットも選択可能だった)。肉:ポーク香草焼き。これは巨大。かなり味付け濃いだが、ガツガツ食べ進む。付け合せのオクラと大根(炒め)が、箸休めの清涼剤として強力に効く。以前の肉皿はボリューム少なかったのだが、これは革命的に大量化した。味は濃い目だが合格。
ここでは南イタリア産渋ワインに出くわす。本日はRamitello2002で、DOC Biferno Rossoを冠している。ただし品切れにてグラス2杯しかない。とりあえず飲む。帰ってから、Abruzzo Moliseアブルッツォ モリーズ地方はCampomarino(カンポマリノ;海の丘?;簡保の「海の宿」みたい)というアドリア海沿いの町を本拠とするDi Majo Norante(ディマ−ジョ ノランテ)蔵製と判明した。ブドウはローカル種のようだが不明。ラミテッロ(Ramitello)というのは、単一種の名ではなくて、2種からなるブレンドに付けられた名前のようだが、現時点では勉強不足で不明。
香りはフルーティ。桃とかサクランボとか。ちょっと土の匂いもある。味は優しく甘い。濃いわりには渋さが目立たない。終始一貫やさしい甘さに包まれる。これはいい。追加でハウスワイン(多分トスカナの何か)もグラスで一杯飲んだが、これはトゲトゲしい。比較でRamitelloが引き立つ。ポークには糸公の残したRamitelloを合わす。やはりポークにはフルーティな香りが良い。86点。
休日に金沢を観光した。錦みたいな食料品市場・近江町市場は、何と子供の日の今日も営業している。もっとも5月3・4日は休みだったそうだが。観光客でごったがえしている。錦の店舗が1次元配置なのに対して、こちらは2次元配置で、店の数も活気もこちらが数倍上と言う感じ。これだけ暖かくなっても、まだカニもカキもうようよしているのは、さすがと言うべきか。店にならんでいるカニの爪(脚)を見ていると、さかんに動いている。回転寿司屋数件も含めて外食店は、どこもかしこも行列が出来ている。そのうち一軒の「回転寿司・大倉」への待ち行列に参加した。待つこと20分くらいだったが、ピッコロ嬢を抱いての参列は、これが限界。座って早速、マグロ・サーモンのワサビ抜き2皿ずつを注文し、お嬢・ピッコロ嬢を黙らせる作戦に出た。隙を突いて(彼女らの)、鯖を注文。これは、鯖寿司ではなく、にぎり寿司の上に生サバが載っかっている代物。これがホンマのサバの味や、と目から鱗というか、舌からオブラートというか、まあ要するに耳から耳栓みたいな話で、今まで食べてたサバ寿司は何やったんやろ、と思い致した次第。サバは脂のカタマリやったんですなあ。マグロしか知らなかった人が初めてトロを食べたらこんな感じやろなあ。あるんですわ、サバにもトロが。とろけるような生のサバ。鯖街道経由の鯖を、京都で無理して、職人の粋を尽くした加工で食べてるのとは違う。ややこしいい講釈も、味付けも何にも要らん、むき出しの生サバ。幸せな気分。あとは。サヨリとか粘性に満ちてよかったし、アジもブリも秀逸でしたが、サバの感動の後では、まあ普通においしかったなあ、という感じ。
最終日は、動物園でコアラ・カンガルー、高層ビルの展望フロアでお登りさん、水族館。動物園は広大な公園の一角を占めており、リージェンツパークにあるロンドン・ズーと同じような感じ。この公園のまわりにテラスハウスがたくさんあることも類似している。小ロンドンに小リージェンツパークを造り、おまけに小ロンドンズーまで併設したということか。帰りは市電で碁盤の目の中へ。めざすは、リアルト展望タワー(The Melbourne Observation Deck)。着いて、隣のホテル・リアルトにて、まずランチ。ここのホテルは2つの古い建物を、植物園の温室みたいなガラス張りで連結したもので、H型をしている。レストランスペースはその連結部にある。フィッシュ&チップスにリースリング(Gulf Station Riesling Vintage不明記載なし, A$ 8/glass, SB78)。酸っぱい・爽やか・微妙に甘く・ちょっぴりフルーティー。フィシュの濃い味と適合性高い。これは鱈ではない。多分、鮫系統。でなければ、鯛系統だが、それはないやろなあと思う。いづれにしても魚くさくてたまらんなあ(涎が出るという意味で)。リースリングできりりと締めんと、ホンマに涎が出るわ。
展望フロアからは、市内の高層ビル群がみな下に見える。水平線も美しい。ヤラ川沿いのビル群は、やはり堂島を思わせる。泊ってるはホテルは他のビルが邪魔で見えない。反対も正しく、ホテルからここは見えない。市街から外れると、急速に人工物がなくなる。これはニューヨークの展望台で感じたのと同じ。東京都の決定的違いというべきか。上から遙か下を見て、近くのヤラ川沿いのメルボルン水族館を発見。早速、移動。
水族館へ移動する途上で酒屋発見。興味は、魚の鮭から、飲む酒へ移行。早速入って、ShirazのA$100くらいで何を推薦するか、と尋ねた。カベルネはアカンのか、と仰せで、それでエエわと答えると、1998年のカベルネ・ソーヴィニョンを選んでくれた。最近、自らテイスティングした由。約A$130で1万円を若干越えてしまった。当然、旨かろう。今晩はメルボルン最後ゆえ、これで晩餐時に贅沢をもくろむ(やはりルームサービスながら)。テースティング記録は翌日分へ。
本題の水族館は、大阪の海遊館そっくり。珍しい種類もあったかもしれないが、インド洋あたりの微妙な独自性を認識するに至らず。というか、ピッコロ嬢にとっては、何でも泳いでいたらいいわけで、目的達成。特にカメを好んでいた。
4日目は、フィッツロイパークでキャプテンクックの家とか見て、ナショナルギャラリーの「オーストラリア以外」部門へ。フェデレーシオンスクエアの「オーストラリア」部とは別の場所にある。ここもまた面白い建物。玄関の壁がいきなり噴水みたいになっている。夏らしい。中は、ガラスのパネルが多用されており、いくつかの場面で建物外壁の石をイミテートしているように見える。展示室とそこへの渡り廊下は、あたかもフィレンッエ街路からメディチ館へ入っていくかのような錯覚を覚えるほど巧妙に設計されている(写真:設計者が意図したかどうかは不明)。
ここで見るべきは、Van Eyckの一枚の絵だった。この14世紀フランドルの画家(または画家兄弟)の現存絵画は少なく、しかも世界中に散らばっている。画家も謎の人物である。これまで欧米のメイジャーはギャラリーであれこれ見てきたが、やっぱり本モンは違うと思い続けてきた。フランクフルト市立シュテーデル美術館にも1点あって、これはキリストを抱くマリアで、ラファエル(・サンティ)の得意パターンの絵だった。その時の解説に、同じ構図の絵がメルボルンにもあって、「メルボルンのマドンナ」と呼ばれていると書いてあった。世界中の港にマドンナがいて、てな気分で、そのうち会いに行くか、とか思っていたところが、年月がたってホンマに見に行くことになった。ところが異変アリ。マドンナ構図の14世紀の絵はあったが、これは最近の研究により、ファン・アイクとは違う作者に帰せられることになっていると書いてある。10数年の間に、当のマドンナが昇天したのだ。仕方ない。そう言われてみたら、赤ん坊にもマドンナにも何となく精気ない表情してる。マドンナのスカートのヒダも、質感において厚みを欠く。フランクフルトのよりも小さくて迫力を欠くみたいに思える。ランチは館内のカフェテリアで、ローストビーフ・ミートボールなど。まずまず水準高い。
今回の行き先が、何でシドニーでなくてメルボルンかというと、それは東京オリンピックの前がローマで、その前がここだったからだ。東京大会のころにはメルボルンという地名が子供の耳にも繰り替えし届いており、脳の奥深く記憶が沈着しているのだ。高校時代、田中英光の「オリンポスの果実」を読んだが、これは戦前(WWII)のロサンゼルス大会へ船で行く途上の男女オリンピック代表選手の恋愛談で、作者は太宰治の弟子とかだったはず。その読書の時点で、ロサンゼルス‐オリンピック‐東京−メルボルンというリンクがまたよみがえり、沈着していたメルボルンという呼び名の記憶が一旦発掘されて、より強固に再沈着されたと思う。これほどの思い入れに比して、シドニーの方には何にもない。ただオペラハウスが目に浮かぶだけで、モダンなイメージを喚起する。メルボルン市街は期待通り古風で、小京都みたいにして小ロンドンとでも呼べばいいような雰囲気だった。もっとも、高層ビルも多くて、ヤラ川沿いの景観は、大阪の中ノ島みたいな感じもするが。そのヤラ川沿いの鉄道駅は、ロンドンのヴィクトリア駅のようでもあるし、また、インドのどこかにありそうな駅(イギリス人が作った;リーン監督「インドへの道」に出てくるような)のようにも見える。去年みたクアラルンプールの時計台にも似ている。なるほど、連中はインド洋をまるで瀬戸内海みたいにしてたんやなあ。ケープタウンも含めて、至る所でクリケットやりながら。
同僚・元同僚・仕事仲間と4人で忘年会。クリスマス過ぎるとホンマに忘年ちゅう気分になりますなあ。大将曰く、「こう日本海がしけては、カニ御指名のお客さんは断りますねん。瀬戸内海・太平洋で勝負ですわ」。で、出てきたのは生カキ・ハマチ・ヒラメ刺し身。カキはコリコリ感が秀逸。おたまじゃくしの頭みたいな、丸く柔らかい部分でさえ噛み応えある。こんな美味なカキは、フランスでもアメリカでも知らん。他に逸品は、きりたんぽのお吸い物〜お茶漬けの境界域。主曰く、「秋田のんを私流にアレンジしとります。秋田出身のお客もイケてると言うてくれました」。一緒に炊き込まれたマイ茸(あるいはシメジ?)の功績大。おつまみのイカの塩辛酒かす漬けもよかったが、これは鳥取・瑞泉(酒醸造元)から調達した由。
ほんで、何を飲んだかですけど。全部、純米吟醸。
(1)蔵人(滋賀県今津・池本酒造)数少ない日本酒体験の中でマイfavorite。
切れがよい割には、味が濃い。いい香り。
(2)喜びの泉:山田錦(倉敷・中田酒造)蔵人より濃い。
(3)天宝一(広島県・神辺町)粘性感ずる。
(4)牧水(長野県佐久市・武重本家酒造)甘い香り・芳醇
味も一番濃い。甘い。重い。深い。結局、今日は後ほど濃い酒だった。
満足。日本酒はしばらく、もう、ええわ。
明日は帰る。同僚と最後の晩餐にDuPont Circleへ。ここは本屋の奥にあるレストラン。本屋にくっついたカフェだから、まあよくあるパターンのスターバックスみたいにしてサンドイッチ位出すかな、と思うと間違い。数日前にこの界隈へ来たときにはそう思った。しかし、後で本屋をのぞくと、奥は末広がりにレストランスペースとなっており、しかも長蛇の行列。バーは大混雑。今日は自信をもって直行。メニューに「このあたりでベストのバス」とあるSeared Bassシーバス炒めを注文($16.25)。盛り付けは、まず皿の真ん中にポテトの台地が築かれ、その上に炒めたシーバスの天守閣が載る。さらに豆とか載ってる。堀を埋めるのは、ほうれん草(多分;いやー、バジルやったりしてねえ)とペッパーの炒め物。野菜の味付けは、一寸テリヤキっぽい気もするが、赤ワインソースの気配がまさっている。バスの味は濃厚。鯛ほど独特の体臭もなく(好き々々だが)、香りはアッサリで味だけ滋味深いアミノ酸味。選択した渋ワインHess Collection Chardonnayとは、甘味酸味とも申し分なく適合した。 チェックにはガリア語でService non-compris奉仕料含まずと書いてある。欧州人は含まれていると思っているからか?婉曲表現か?
ここは前面の本屋も面白い。品揃えにおいて。一癖も二癖もある品揃えと、並べ方。既成のジャンルを縦横に切り裂いて、店独自の趣味で再編集している。東南アジア関係だと、地図・ベトナム戦争関係・アジア経済全般・旅行案内・社会学・政治学などがずらり並ぶ。さりとて、地域ごとに棚があるわけでもない。何か特定の本を探すというのは不可能で、棚を見ること自体を楽しむべし。「ドンキホーテ」は入ったことないので知らないが、新聞記事などから想像するに、こんなんではないのかな(本を売ってるかどうかも知らないが)。
色: Blanc 白
名称: Sonoma-Cutrer Chardonney 2003
ソノマ カトラー シャルドネ
生産者: Sonoma-Cutrer
生産地呼称 Russian Valey
ラッシアン バレー
生産地(国): Sonoma, CA (USA)
ソノマ、カリフォルニア
購入価格: $13.5 (グラス)
SBポイント: 80点
食べたのはMakoマコ($11.75)。これはノースキャロライナ産の鮫。皿の真ん中で、ライスで出来た円盤の上にマコのグリルが来て、さらに上には海老が二匹シャチホコみたいに載ってる。この天守閣をトマトソースが取り巻いている様は、あたかも備中高松城の水攻めのごとし。味は上々で、「サル、でかしたぞ」という感じ。
渋ワインは色濃く、味も濃い。甘いアタックにひるんだ隙に、酸味の波状攻撃が来る。香りはあまり記憶にない。多分メロン的だった。マコは濃い味で、筋肉の繊維もしっかりとしている。鳥のササミとあまり変わりないような質感。味も、かしわ的に思える面もある。しかし、よく噛むと鯛みたいに奥の深い魚臭さが出てくる。生臭い。この渋ワインが酸味に乏しいのは、ここでは利点となってるみたいに思える。刺し身とかなら弱点になったやろなあ。水攻めならぬトマト攻めは、味覚の点では大成功で、トマトのドロリとした質感がなんとも言えん甘味をもたらす。ソース化したトマトは刺すような酸味が削がれているものの、依然としてじわりと酸っぱい。この熟成した酸味が渋ワインと相容れる。
メインイヴェントを終えて、同僚と繰り出す。といっても、その後でオペラを見に行ったので、短時間によく食べた。メトロ・アーカイヴを降りたところ(実態は逆で、地上へ登ったところ)。番地の701が店名となっている。
ここで食べたもの:
(1)Lobstarロブスターサラダ+エビ味噌(カニ味噌対応物)のエキスベースのキャラメル・ブリュレ($14)。これは一瞬、デザートのカスタード味かと疑ったが、一口で至高の一品と判明。エビ味噌の苦さとキャラメル表面の焦げた苦味の双方が、同じ苦味ながら異なる複数の苦味成分をお互いにぶつけ合い、それが反発するどころかうまく溶け合う。このハーモニーを楽しみつつも、さすがに苦味の凝縮に舌が疲れた頃、Pinot Grisの濃い目の甘酸っぱい味がやさしく舌の緊張をほぐす。秀逸でした。
(2)Crab meat and Corn Ravioli & Smoked Tomato-Basil Brothカニ・ラヴィオリ+バジルと燻製トマトの炒め物添え(ただしこれは別な時のランチ;$17)。ソースはピーカン的で、茶色く甘めで旨い。カニは少々噛み応えありすぎ。
(3)Rack of Lamb ラム首肉($32)。柔らかい。ラム特有の肉臭さ満点。飲んだカベルネ・ソーヴィニョンとベストマッチ。付いてる野菜は、ラタトゥーユの春巻きみたいなもんで、ただし、その皮はなんとナスの果肉を薄く切って板状にしたもの。これは滋味豊か。野菜の味が凝集されている。ニンジン・ピュレがさらに乗っかっており(好デザインで)、それをソースとして食べる。この店は今回の旅行で最も秀逸だった。結果、最大の散財だったが。
(4)Raspberry and Mango Mousseラスベリー・マンゴー・ムース。甘く酸っぱくおいしい。
同僚はシーザーサラダ、Roasted Baby Chicken、トリオ・クレーム・ブリュレ(三種味違いセット)。おいしいという話だったが、それ以上は不明。注文はしてないが、メニューにはKurobutra Pork Loinがあり、黒豚が日本語で登場していた。
ほんで飲んだ渋ワインは、いずれもグラスで、:
(1)Turnbull Sauvignon Blanc, Oakville, Napa 2003 $10($48@瓶)
(2)King Estate Pinot Gris, OR $10
(3) Lake Sonoma Cabernet Sauvignon, CA $11
色: red 赤
名称: Pinot Noire Sanford 2000
ピノノワール サンフォード
醸造元: Sanford
醸造地(国): Santa Barbara, CA (USA)
サンタバーバラ カリフォルニア(米国)
購入価格: $45
SBポイント: 78点
メトロのDupont Circle駅から北へ歩いていくと、いくつもレストランがある。イタリアンならラ・トマトにすべきところだったのだが、瞬時の判断で先へ歩いていってしまった。その先で落ちついたのが、ここ。仕事関係者6人で入ったが、飲み物の趣味は多様で、というか、そもそも3人はアルコールを飲まない。他の2人はビールが好み。というわけで、この渋ワインは殆ど私が担当した。 色はピノノワールにしては濃い。グラスからはいきなり芳醇なベリー系をカマンベール香。回しても回さなくても同じ。味は甘味勝ちで、もっと酸が欲しいところ。舌への刺激感もない。しかし香りはどう考えてもピノノワール。あんまり面白いワインではないが、アルコール非飲者と食べるには、これくらい単純で気の散らないワインの方がいい。礼儀作法と言う点では。グラスの鼻を突っ込んで妙なことばかりする、ということになってもいけないので。食べたのは、Veal Malsala($22)。ヴィール・マルサラ。チキンのマルサラならよく聞くが、その子牛版か。柔らかいが味は今ひとつ印象に残らない。トマトソースがかかってた。O氏のサーモングリルにもトマトソースがかかっており、彼は終始不満げだった。あんまりグルメ向けの場所ではない。
ベセスダのホテル内に出店しているDaily Grillは、アメリカ中で何店舗か(10くらい?)展開するチェーン店。といっても、すかいらーくとかワタミとかほどの多数ではないし、もっと高級でシックな雰囲気。ひらまつほど、飛び切りハイエンドでもない。この手のモデルは日本で欠けているように思われる。
まずアペタイザーにアンティチョーク・ロースト。これは最外側の皮が、ほんの一部、炭のように赤く燃えている状態で出て来て、この部分は明らかに食べる対象ではない。どこが食べられるのか見当付かない。前にアンティチョークを食べたのは、パリ7区のブルドネというミシュラン星ひとつのレストランだった。ここでは全部食べられるように切れ目にしてあり、何よりも、複数食材からなる料理の一構成要素だった。その時は一瞬タケノコかと思ったものだった。今回は、ベビーたけのこが皮をつけたまま焼かれて出てきた感じ。色は紫がかっていて、前に仙台で食べたホヤのようにも見える。結局、芯の部分を切り出して食べた。柔らかくて甘くて、アボガードのように感じた。ウェイターにまだ食べるとこあるかと聞くと、あこもここも食べられると言っていた。メインはフィレミニョンで、期待どおり柔らかい。
ほんで何を飲んだかですけど(各グラス一杯):
(1)Valley Of the Moon Pinot Blanc 2003, Sonoma County, CA $9
(2)Kenwood Jack London Vineyard Zinfandell 2002, Sonoma Valley, CA $9
(3)Wente Vineyard Merlot 2001 Arroy Seco, Monterey, CA $11
アシュケナージ指揮ナショナル交響楽団のシベリウスやルーセルなどを聞きにKennedy Centerへ行ったとき、隣に面白い形のオフィスビルがあるなあ、と思った。それが、かの有名なウォーターゲート事件の舞台となったホテルである。その中で最もケネディセンターに近い部分に、手ごろで手早く食べられそうな感じのレストランがあった。そこでブイヤベースを食べた。ホタテ・アサリ・エビ・サーモンが入っていて、さらに玉ねぎやニンジンまで泳いでいる。一口目はおいしいと思ったが、食べ進むと、どうも水臭くなってきた。これは野菜の所為と思う。本場マルセイユでは、野菜は入ってなかった。魚の種類も多かった。そもそもサーモンは北方系の魚だから、地中海料理にはアカンやろなあ。ホタテもやね。というわけで、これは誤解の産物。アメリカン・ブイヤベースと名付けておこう。
飲んだのは、Kendall Jackson Chardonnayをグラス一杯($10)。これはリンゴの香り。薄い色。随分、酸っぱい。値段相応のシャルドネという感じか。今回米国へ来て、なかなか酸っぱいなあと思った最初の渋ワインである。600Restaurantの600は、番地(家屋番号)をそのまま店名に採用した結果。
昨日、名古屋へ着いて昼ごはんを食べようと思ったところ、行列のあるレストラン発見。これがまた広大な面積にびっしり椅子が並び、ウェイターが10人を超えて動き回るエネルギーな店。今の名古屋の象徴みたい。大規模店で回転早く、行列の進行速度も驚異的である。しかし次から次から行列参加者が加わる。お客さんは圧倒的に女性。「名古屋嬢」も多そう(ウェイトレス含めて)。食べたのは、魚介スパゲッティ。具が多い。スパゲティは硬めだが、アルデンテつーわけで、これが良いのだろう。素直に従っておこう。シーザーサラダとコーヒー付きセットで1250円。最低でもパスタ単品860円。吉野屋・マクド並みの回転速度で、客単価3-4倍となれば商業的な結果がどうかは明らかである。厨房はオープンで、ハムとかイベリコ豚みたいのんがぶらさっがっており、イタリアン性を高める演出もある。いわゆる「イタリアン・スローフード」を、高速回転でファースト化して提供するというコンセプトで売り出して、当てたという感じかな。隣のテーブルにはピッツァが載ってる。これは帰りにためそう。
というわけで、本日3時のおやつという感じの時間帯に、ランチをまた懲りもせずマッカローニで。今度は同僚と2名だが、さすがにこの時間帯はガラガラ。コーヒー飲んでる人が多い。ウェイトレスは、ケーキを上手に薦めて、年配男性のパワーコーヒー(コーヒー片手に商談)にケーキを潜り込ませるのに成功。何しろうまく客単価を高めているのだ。食べたのは、シーフード・ピッツァ(同僚と折半)とハンバーグ。同僚はクリーミーなタリアテッレ、ベーコン入り。ほれ、きし麺や、と囁き合う。ピッツァはなかなか出てこない。カマで焼いてるのは姿から明白で、水準満たしている。ハンバーグはトマトソース味だが、ピリ辛い。御飯が同じ皿に盛ってある。サラダも端に載っている。こうして一皿で出るところは、「ファースト」的サービスらしい。御飯は、硬めでゆっくり噛むことを余儀なくされる。「ファースト」サーブされるスローフードたる所以。
ここでは、Chinonシノン赤のグラスを飲んでいる(860円)。ロワールのマイ・イメージからすると随分と濃い。ブルゴーニュの平均より濃いかも。ほんのり甘く、後味に酸味がまずまず残る。渋味は弱い。炭酸水にような刺激感が舌に残る。この渋ワインはトマトソースに愛想ふりまくタイプと思う。ちなみに赤グラスは3種あり、ほかの2種はチリ・コノスル・カベルネソーヴィニョン・レゼルヴァとキアンティ・クラシコだった。品揃えセンス、中々いい。醸造元はRemy Pannier(レミー パニエ)。SBポイント:78点。
仕事仲間のS氏と飲みに出る。日本酒好きのS氏に敬意を払い、日本酒尽くし。阪神優勝の夜ながら、えらい静かで高瀬川に飛び込む御仁は、誰も、おへん。日々の試合はどうでもええのだが、こうして阪神が優勝すると、何やジワーと喜ばしい。不思議な感覚。前田豊三郎商店は、ずっと前から木屋町にあったと思ったら違っていた。10数年前から居酒屋をやっており、数年前に、よりファッショナブルに改装したとのこと。確か、ここよりも少し北に小売酒店があって、既に閉店されている。そこは古くからの店で、入口には縄のれんが掛かっていたと思われ、「小売店のコップ酒」も供給していたはずだ。前田豊三郎商店から始まる連想の鎖により、「コップ酒の酒屋風景」がよみがえって来た(前豊とは直接関係ないのだが)。
「酒小売店のコップ酒」とは、どんなモンか。近所のスーパーへ行ったとする。そこの酒売り場では、しばしは試飲をやっており、カラスの涙ほど(すずめの涙よりチト多い)の酒を飲ませたりする。これはむろん無料だ。かつては、酒屋小売店でコップ酒を売る、というのがよくあった。店頭で飲むのは同じだが、こっちは買うのであり、量もコップ一杯で、「2級、2デシ」などと注文する。2級の日本酒を、200ml(2デシリーター)の専用コップに、すりきり一杯入れて供される。そこからが、酔っ払いの面目躍如で、一滴もこぼさずに飲み干すのだ(私はやったことない)。値段は小売値と同じ。木の枡で計り売りというのもあって、空瓶を持っていって、「特級、2合」などと注文する。1合(180ml)とか2合用の枡が用意されていた。升目正確度の定期検査もあった(京都市が行う)。そう言えば、豆腐屋にはナベ持って買いに行ってたなあ。酒屋には、灘・伏見のメイジャーどころの一升瓶が、栓をあけた状態で常備されている。当時は、新潟の地酒とか、全く入手できなかったし、あまり話題にもならなかった。よくあったのは、月桂冠・白鶴・明けごこころ・万長・嶋臺など。「嶋臺」は、烏丸御池(東北)に今も残る古い家屋(丸岡屋)で造られるか、または瓶詰されていた。また当時、日本酒には、2級・1級・特級・超特急という等級があった。私がようやく、よちよち歩きを脱した頃に、祖父母が子守唄で聞かせてくれた話と、消滅前にかろうじて目撃した風景に基づいている。昭和中期で、チキンラーメン発明とか東海道新幹線開通とかメイジャーな革新のあった頃には、普通の風景やった。前田豊三郎商店の北にあった酒屋は、てな具合な風景を温存していた。今は閉まってるが。けど、前田豊三郎商店という名前が、そのかつてあった北の店を連想させる。そして、さらには、このような過去の「コップ酒」の風景を想起させてしまう。マドレーヌからよみがえるコンブレーみたいにして。
ほんで、何を飲んだかですけど。
(1)「生」天楽(大吟醸)兵庫県島町 西山酒道場
(2)菊水 音瀞 純米吟醸)(新潟)
(3)酔鯨 特別純米(高知)
(4)英勲 「前豊」限定品 純米大吟醸 生原酒(京都)
(5)京生粋(佐々木酒造 京都市上京区)
をそれぞれ1〜2合づつ(2人で)。
S氏によるとこの順番が大事らしく、ええ酒を後で飲んだら損や、ということだそうです。ワインみたいに、シャンパーニュ、軽い白から、重い白、ブルゴーニュ赤、ボルドー赤へ、そしてデザート甘口、のような順列がちゃんとあるみたい。なお、S氏は加賀の酒に関しては、ひととおり制覇しているようで、日本酒の生き字引みたいに思えた。私の舌では、(1)は濃く粘っこい、(2)は甘い、(3)はきりりと引き締まっていながら味わい深い、(4)は忘れて、(5)は薄く水みたい、となった。
で、何を食べたか。印象深いのは、秋刀魚と鯵の刺身。おお、こんなもんを京でも食えるようになったんや。ロジスティックスの進歩はかくも著しいのだ。ぐじの塩焼き。これは、いつでも安心感あるなあ。じゃがいもを花籠のように空揚して、その中に中華風野菜あんかけを満たしたものは、アイデア勝ち。白身魚・マツタケ薄切りを、かに味噌で和えて、ほう葉焼き。これは、特にかに味噌の濃い味が苦味含めて印象的。けど、やっぱりワインが好きですわ、私は。
墓参りのついでに、リストランテ・カーサ・ビアンカ(カサビアンカ; 正式名カーサビアンカ)でランチ。初めて食べる。寺町今出川西にあり、ここは御所が東北角で凹んだ部分。凹んでる理由は、恐らく鬼門だから。ピッコロ嬢を抱いて恐る恐るドアを開けると、門番はシェフ。難なく関所通過。屋根から判断するに、ダイニングルームは昔の倉のようだ。入り口・天井など、がっしりした造りの建物。倉庫再生は小樽や横浜の赤レンガみたいな港湾に限らず、内陸の市街でも可能ということか。
肉料理ランチ(4200円也)2人前に、お嬢用のスパゲッティ・ボロネーゼ単品(特注1800円)を加える。渋ワインは、フリウリのトカイにした。イタリアンらしからぬ選択だが、糸公の白好みと欧州系肉料理が対峙した場合には、トカイ・ピノグリ以外に解決は無い(今のところは)。これは我が家の永遠の課題であるが。(調べてみて、実はピノ・グリではないことが判明。)
前菜アンティパストは、5種の盛り合わせ。非常にイタリアン。タコの凝った煮込み(多分)は奇抜かつ秀逸。他に木の芽和えを思わせる海老も印象的。あとは鴨ロースなど普通。ついで野菜スープ(Zuppa di Verdura)。パスタは6−7選択肢あり。糸公のペンネは、強烈チーズ風味で、これはラテン系というより、イングリッシュ・ブルーチーズと思った。少々塩辛い。私のは、アンチョビ・ベースだが、トマトはかけらもない。木の実でノン・クリーミーに仕立てある。かなりアッサリ系。これならトカイも喜ぶというもの(のはずが、相性はあまり良くなかった)。お嬢のボロネーゼは、量が多い。肉も多く、大型のシメジも大量に見え隠れする。味はもちろんイケてるが、フクムラよりちょい薄めで量が多い(旨味の総量は一緒ということか)。しかし期待通りに濃厚なデミグラ味である。
肉料理(写真)は馬肉の赤ワイン煮込み(Borgomaneroボルゴマネッロ風)だが、これは見るなりゲルマン系の皿と思った。付け合せには、マッシュポテトがどかんと付いている。トウモコシも混ぜてマッシュされてる感じで、黄色っぽい。しかも全般に、グーラッシュのように見える(これはハンガリー・オーストリア料理)。そうや、これはイタリアの中のゲルマニア、つまり南チロルのおばんざいと違うかな(実は間違い;下記)。トカイ・フリウリアーノとの相性抜群。赤ワイン煮込みが、かくも白ワインと合うのは、第一に、ポテトがホワイトソースのような役をするから、第二にトカイ・ピノグリ(実は別物のトカイ・フリウリアーノだった)の肉親和性ゆえであろう。
しかし、この仮説は外れ。Borgomaneroボルゴマネッロは、ピエモンテはノヴァラにあり、マジョーレ湖の南端に近い。厳密にはハズレだが、北イタリアのアルプスに突っ込んでいるところという点では正解で、東西をちょと間違うただけ。ひとやま超えるか、湖をひょいと漕いで行けばスイスではないか(「武器よさらば」に出てくるコースと思ったが)。ゲルマニアとは紙一重である。ウェイターは、この赤ワイン煮込みは、ボルゴマネッロにあるリストランテ・ピノッキオのレシピーに依拠していると言っていた。オリジナルは、馬肉でなく、ロバ肉とのこと。ますますアルプス山中を思わせる。
今日は敬老の日で、敬老弁当なる料理屋の仕出し弁当を、父母に供した。たん熊北店と菊乃井が出してるのを、高島屋地下にて調達。糸公・お嬢・私分含めて、5ケース仕入れたので、量は十分過ぎて、一部晩御飯に回る。どちらも5250円也。容器からして雰囲気出している。開けると色とりどりだが、何かどこかで見たような気がする。そや、これは正月のおせち料理みたいや。寿司のついてるとこだけが違う。どちらも品数が猛烈に多い(クリックで各写真拡大)。左が2段重ねの菊乃井。右のたん熊北店は一段構成で中央に鰊ナス炊き(下記)。まず、視覚的満足は大きい。
肝腎の味は、旨いけど、濃い。もっとも、弁当という点も考慮すべきところだが。京料理が薄味というのは、常々、迷信と思っている。実はかなり濃いのだ。むき出しの醤油香・塩味・みりん味がご法度なのはもちろんである。アミノ酸味でさえ、昆布系とカツオ節系にシイタケ系などうまく混ぜ込んで、個々の味要素が全面に出ないようにしている。その結果、実に温和で穏やかな風情で味わってしまう。しかし、これは食べてるときだけで、後で帳尻あわせが来る。つまり、にわかに喉が渇くのだ。温和な味わいを出すために、猛烈な内部エネルギーが費やされており、その処理が食後に腎臓に回ってくる。結果、体液喪失し、水分補給への欲求が沸き起こる。肝腎の(負担になる)味、てなもんかな。ただし、弁当ゆえの特殊事情かも。総論的には、うるさいこと感じた。だが、「ほな、食べへんかったらええ」のかと言うと、これは全く逆であり、ややこし(い)ことは棚上げにして個々の料理を楽しみたい。実際、満足度高かった。とりわけ、ニシンなす炊いたんゴマたれ和え(たん熊北店)、には意表を突かれた。ニシンなす炊きは、ありふれたおばんざいだが、よくあるパターンではカツオ節をまぶす。そこへゴマだれで、ナッツ風味も感ずる。これは新鮮な味わいだった。板うにみじん粉揚げ、はカラスミ見たいに見え、かつ味もカラスミみたいで、酒飲み受けする食べ物である。粟麩田楽は、ねっちりした麩の舌にからみつくのが何とも言えない。こんな粘性のあるのは、揚げてあって水分が飛んでるためかな。味噌味も秀逸。鯛雲丹粉焼は、只でさえ旨味に富んだ鯛に雲丹で上塗りかいな、と思ったが、結果タイ特有の生臭さが程よく滅却されて、いいアイデアと感じた。万願寺めしはジャコの炊き込み御飯だった。醤油ッ気の感じられないほど薄く炊いてあるが、ジャコの味のために結局は濃い味になってる。鴨ロースは良い箸休めと思う。お嬢が殆ど食べたが。
菊乃井の右側上イクラの隣は、柚の皮を容器にして、なかに菊菜菊花のおしたしが入ってる。柚味が染みておいしい。菊乃井のほうは、随所に菊花が目だっており、トレードマークとなっているようだ。絹さやは、青臭みが消えて、濃い目の味が付いている。これは何かカツオ味ベースなのだが、ちょっとひねったアミノ酸味になってる。手抜きしてないことは明白。このように食べ比べると、たん熊の方にサプライズが多かった。菊乃井木屋町店では、2003年3月に食べているので、その時の味を舌が少々覚えているのかもしれない。何を食べたか全然覚えてないのだが。たん熊のほうは、母が南店で食べており、魚の切れ目が大きかったとか言ってた。弁当ではそんなもん期待できるわけないが。弁当では、刺身とかてんぷらとか無いし、冷めてるし、保存を意識して濃い目の味付けにもなってる。だから、ここから一般論を無理に引き出すと暴論となることには、留意すべきだ。
暑さに閉口して盆休み取る。午前中はお嬢と2人で、西京極のプール・アクアリーナ京都へ。お嬢はなかなかプールから上がりたがらない。体が冷えたら、自分でジャグジーへ行って暖まり、また戻る。水面スライダーというか滑り台も8回もやっている。何よりも水深90cmのプールで自信満々に動ける。前行った時は、すぐにお父さんキテー、と叫んでいたのにすっかり様変わりである。お蔭で私も手が空いて、随分泳いだ。
帰りに高島屋で、お嬢の服を買い、2時ごろ四条富小路上ルのリストランテ・フクムラへ。ここは私が子供の頃から名が知られていたのだが、実はこれが始めて。再生町屋ではなく、まあまあ古くからある家で、開店当時新しかったであろう内装が味のある熟成を見せている。当時イタリアンという言い方は殆ど聞かれず、あくまで伊太利亜料理店として仏蘭西料理店(つまり東洋亭・萬養軒・レストラン北山など)と区別されていた。看板は、熟成を通り越して、一部、錆びている。リストランテというようなつっぱったような気配は無く、接客ソフトウェアも30年くらいは熟成しているのだろう。客も皆、京都弁のネイティヴ・スピーカーである。ガイドブック片手に東京から来るというような気配は全くない。これも熟成の結果か?以前はつっぱっていたのではないかなと、勝手に憶測しているが、あくまでも想像。その想像の極々希薄な根拠として、ひとつ挙げられるのは、お嬢の飲めるソフドリンクの品揃えが2種類のみだったこと。とっさに私は、さもありなんと思ったのだ。
食べたのは、スパゲッティ・ボロネーゼ(1800円)とタリアテッレ・サルモーネ(1900円)およびグリーンサラダ(850円)。渋ワインは、ソアーべ・クラシコ・スペリオーレ2002をグラスで一杯(850円;醸造元不詳)。ワインリストは意外に充実し、グラスワインは赤白2種づつある。グラスでなくカラフの選択もある(0.5L)。タリアテッレの説明として、わざわざ「きしめん状」などど書いてある。開店時からこう書いてあるのではないかな。イタリアきしめんとか言う表現って、現在は死語化している。パスタの味はかなり高度。ミートソースはなんせミートがタップリで、三島亭の牛肉時雨炊きを思わせるニュアンスあり(正しくは三嶋亭)。生姜味が入ってるのか?タリアテッレには鮭の小型さいころが散りばめられ、ソースは若干キャラメル系の味を発する。量は、これ単品で済まさない場合がほとんどと見えて、ちょっと小ぶり。しかし、お嬢は半分しか食べないので、我々の2人パーティには十分だった。奇をてらわず、基本中の基本の味を、ずっと(40年くらいか?)守り続けてきたのではないかと思う。ひさごのチラシ寿司のような安心感がある。
花遊小路 江戸川では、これまでから何度も食べている。今日は出向いたのではなく、パックの鰻蒲焼を昼に食べたというお話。ここの店舗は、まずまず広く、内装は雰囲気もいい。ところが、行った時はいつも夜8時過ぎだったのだが、ウェイトレスの動きは見るからに、9時過ぎの閉店を意識している。つまり、動きせわしなく、かつレジでは、売り上げ集計を今すぐ始めるか、またはもう既に始めたかのような雰囲気があふれ出てくる。何となく顧客としては、くつろげるという気分にはなれず、早く食べて閉店に協力してあげたくなる。そう顧客に思わせることの統計的結果を、推し量るべきであろう。しかしながら、私個人としては、旨いのでデパートでパック蒲焼を買ってしまう。河原町の西に居て鰻が食べたければ、今後もここへ来ることだろう。ただし鴨川の東に居るなら、わざわざここまでは来ず、松乃か梅ノ井へ行くことだろう。
鰻を食べながら、飲み残しワインの適合性を比べた。昨日のコット・シャロネーズ白と2005/6/18のオット・コット・ド・ニュイ赤(グロ)である。どちらも小瓶で冷蔵庫保存。グロのは1ヶ月半に及ぶ冷蔵庫内熟成の結果、酸味がかなり飛びながらも、アロマというか、ほのぼのしたブドウ香が残り、前よりもずっと舌にやさしい。この一番勝負では、うなぎとの適合性は、「この赤」の圧勝と思う。比べると「この白」は、甘さと青臭いえぐみのある匂いが気になり、鰻のタレの甘い旨味を減退させてしまうような気がした。赤白の一般論ではなく、「この特定の赤白」比較の結果である。
千葉県上陸の台風7号も去った。今日は、仕事仲間4人と中華街でディナー。同僚がインターネットサーチの結果、中華大通りの萬珍ろうを予約した。まず門構えは極めて立派で、というか派手で、私の清朝偶像に合致する。結構混んでいる。ということは、ここの選択はOKだったのか?萬珍摟特選紹興酒・歡君牌500ml、2800円をまず注文。店の人は燗より室温がいいと薦めた。従う。ほろ苦くドライシェリーの感じで、合格と思った。が、他の3人には最初の一杯で充分なようで、ドラフトビール3個追加。5000円のコース(一番安い。最高は1万2千円だったかな。)。まずオードブル。細い精進春巻きに、ダックローストなど(普通;広東風に皮も含めて柔らかい)。フカフィレスープ(普通)。グリルの海老2尾がチリソースとマヨネーズソースで来る(普通)。次も海老で、すり身が天麩羅のように薄衣で揚がっている(普通)。チキン主体の春巻き照り焼きソース仕立て(カリカリ感が秀逸)。白身魚のフライを、タケノコ・しいたけ・白菜入りのどろりとしたスープで和える(遥かな甘みが感ぜられ、薄いアミノ酸旨味があって、これも合格以上)。チャーハン(普通)。デザートに杏仁豆腐の山桃スープ味付け(薄甘く果実感豊かな上品さに痛く感激)。ちょっと海老が多すぎたな。1人は英語ネイティブにつき、皿ごとに説明するのだが、和食の英語化に比べて簡単なのはどうしてだろう。多分、魚の個別名を言わなくてもいいからだ。帰りにこのレストラン併設の菓子店にてゼリーセットを買う。ただし、ガリア語でジェレと呼ぶのが今様で、ここもそうなっている。ゼリーと同じもんやのに。
写真はこのレストランのホームページより拝借している。要請あれば即刻、削除いたします。
朝、高島屋で買い物の後、三条柳馬場下る再生町家フレンチレストランのドゥーズ・グー(Douze Gout)でランチ。これはガリア語では12の味わいの意。のれんが掛かる一軒路地の奥に、まさかのフレンチ。このあたりを一点として、四条河原町を対角点とする四角形地帯には、近年ぞくぞく再生町家ブティックやレストランが開店している。それも、ファッショナブルなものばかりで、南青山を思わせる(ホンマはよう知らんのですが)。横浜や神戸の旧港湾倉庫再開発などとよく似ている。久々に本格的フレンチを堪能した。京町家で、「もどき」ではないフレンチというのは、真面目なビジネスモデルと思う。地元の者も素直にしびれる。
メニューはコース2つのみ。3990円のデジュネー・ドゥーズを選択(豪華な方)。何だか品目も12あった気がする。万願寺獅子唐とか京手毬というブランド名のプチ・トマトも出てきた。アミューズはサーモンマリネ(普通)・アンチョビ入りプチクロワッサン(センスいい)・パルマハム(普通)。次いでのサラダには、鱧のおとしを少々あぶったのと生の水ナス(アボガト的味わい)が入っている。このあたりは京都ブランドをかなり意識しているのか。あぶった鱧には苦味が加わって、今日の渋ワインとの相性が良い。その次に、桃風味の冷たいポタージュ。上品に桃が香るけれど、味の基本はポテトかな。それから、ポーションは小ぶりながらも、3皿もお楽しみが続く。ポークのプロヴァンス風+すずき焼き+和牛ステーキ。和牛はかなりやわらかい。すずきの味付けは、カナダ産アッケシ草を含んだバターおよびカラメル系ソースで、私の分類ではフランドル風ではないかと思う。このソースとワインの相性がいい。というのも、選択した渋ワインには、カラメル・バニラ系の香りも結構入っていたからだ。デザートも少量多品種の盛り合わせであり、トータルで12品目は遙かに超えていた。
サービスはよく行き届いており、水・ワインともグラスが枯れたことは無かった。さらに、お嬢6歳のために、お品書きには無いプチコースを用意してくれた。相談してみるものですな。こちらは1575円。かなり満足感がある。有名どころのようで、満席だった。予約なしで来て帰る人々や、2回転目に戻ってくる人々が結構いた。我々は前日夕刻に電話で予約。帰りにワインのエチケットを、大面積の粘着テープで吸着してくれた。エチケット採集専用の仕掛けである。
1996年11月。A氏(C氏と同窓でNY在住)とともに、3人でセントラルパーク内にあるレストラン・テイヴァン・オン・ザ・グリーンへディナー(Tavern on the Green)に行った。このレストランは、セッティングが面白い。パークの中のサーカス小屋という感じで、クリスマス用みたいに派手な(満艦飾のような)電球の飾り付けがしてある。事実、クリスマスディナーでにぎわう由。高級そうに見えるが、味も価格もさほどではない。食べたものは忘却。ブルックリンのリヴァー・キャフェ リバー・カフェのほうが一枚上手。ただし、オペラ前の腹ごしらえには最適。
この時、A氏はさほどオペラ好きでもないのに、我々のリクエストにて$35くらいで、レヴァイン指揮メトロポリタン歌劇場でのコシファントゥテを買ってくれたのである。C氏と二人で行った。音はきれいだが厚みにかける。ダイナミックレインジは大きくとも、盛り上がりに乏しい、という常々思っている通りのレバインであった。印象残らず。クリックで写真拡大。
ピッコロお嬢誕生を含む期間ゆえ、あまり多く出歩けなかった。しかし、この間に電動ワインセラーを買うとか、ボルドーのプリムール買いをするとか、ちょっと違うこともしたな。
山中温泉 胡蝶:ピッコロお嬢を初めて泊りがけで引っ張りまわす。
マンダリン オリエンタル ホテル クアラルンプール:クラブフロアで毎日飲茶の日々。プールで泳ぐ→KLCCパーク・モールで遊ぶ→飲茶→ルームサービスのディナーの繰り返し。
うなぎ松乃鰻寮:3度目のうなぎスープだが、今度は量が少ない。
竹林院群芳園 吉野: http://www.chikurin.co.jp/
利休作の庭園がある景観の良い宿。仕事仲間S氏が東京の友人T氏の出張に合わせて一席設ける。私は近鉄特級で帰る。彼らはそのまま宿泊。宿泊室は殺風景な鉄筋コンクリート建てだが、食事エリアになっている旧舘の部屋は趣きある日本風。といっても、二条城の書院のミニ版みたいで、ちょっとマイ好みのセンターから、ずれるが。山の中の、只管静かな夜だった。酒はS氏が樫原神宮あたりの酒屋で調達した奈良の酒。詳細見ず。
2005年正月マレーシアはペナン島へ行く予定だったが、大地震があり、余震警戒とピッコロ嬢連れのことも勘案して、行き先を大都会クアラルンプールに変更した。苦渋の決断。泊ったのはペトロナス ツインタワー左側(写真)のマンダリンオリエンタルホテル。「東京の都心で過ごすお正月」というよくあるヤツ、とあまり変わらなくなった。新宿へおのぼりして(マイ辞書では、都落ちして)、都庁近くのハイアットリージェンシーに泊るみたいなもんやな。違うのは3点。こっちは何でも安い。見慣れない熱帯の景色。広東料理は間違いなく正統派。
低層階の屋上部分に作られたガーデンプールは、清潔で眺望が良い。プールサイドにはビーチみたいに椅子とパラソルが並ぶ。ウエイターが氷水とバスタオルを持ってきてくれる。擬似ペナン島になっている。それにしても街中で建設工事をやっているのを見ると、東京オリンピック〜千里万博頃の日本を思い出して、涙ちょちょギレである(このちょちょギレ感の永続を狙って愛知万博には行かない)。お嬢はいつまでもプールから出たがらない。ピッコロお嬢も、水面をピタピタ叩いて喜んでいる。ふと、あまり子供がいないことにも気付く。若年から熟年までカップルばかりだ。ロシア語も結構飛び交っている。泳がず、椅子に寝そべって本を読む人も多い。この炎天下に肌を焼くのはどうかと思うのだが。プールサイドのグリルで2回くらい食べた。一度は、マレー風串焼き〜焼き鳥みたいなんで、何とかゴレンか、ゴレン何とかという名前だったが、今度こそペナンへ行く前には食べ物の勉強をちゃんとしとかなアカンな。2度目は、あまりマレー風とは思えない魚のグリルを食べたと思う。付け合せのスパイシーポテトは、お嬢に食べさせるために、スパイシーでない普通のイングリッシュ・ポテトチップスに換えてもらった。キッズスパゲッティも注文した。クアラルンプールの地元ビールはタイガーというブランドである。この時もドラフトでタイガービールを飲んだ。
2日目の朝、失敗あり。タクシーでカメラ忘れた。落ち込む私を怪訝そうに見るお嬢。ここで咄嗟に出た言い訳は、「カメラでよかった。ピッコロ嬢を忘れんでよかった」。これがお嬢に痛くうけて、何回もこれを繰り返していた。帰ってからも、旅行の話しを誰かにして聞かせる度に、「カメラでよかった」と吹聴していた。糸公は、カメラが無いので、絵日記を書こうと提案。お嬢は大いにのり、最後までテンション続く。トータルでは、カメラの無い方が、教育的に成功だった。転んでも只では起きないのだ。糸公の慧眼のおかげ。忘れる直前によったモスクは、静謐で美しい建物だった。お嬢ですらベール着用を求められて、入り口で貸してもらった。ベールをまとったお嬢の写真も一緒に喪失。
下の絵日記には、ある日訪れたバードパークにて見た鳥が描いてある(クリックで拡大)。広い園内に珍しき熱帯の鳥が、飛び交い、または捕獲されていた。ここのレストランで食べたマレーカレーが安いながら舌によろしく適合した。お嬢はミッキーマウスみたいに飾ったスパゲッティを食べた(ソーセージをはめ込んで眼と鼻みたいにしていたかな、確か)。
バードパークへ行く前には、ほとんど隣にある博物館で民族衣装の展示など見た。マレー華人の歴史のところでは、60年前の風景が再現されている。そこでは、日本の会社が台湾(の子会社)で生産した食品や日用品を、マラッカで売るべく張り出した宣伝看板・ポスターも貼り付けてあった。同じエリアにはバタフライパークもあったが、ここは狭かった。カブトムシ標本の展示に眼を奪われた。みたことないクワガタとかが次々ガラスケースに現れる。これら一連のパーク詣では、ホテルにてタクシーをチャーターした。4時間くらいで相応に払ったが、もちろん日本水準では激安である。
この絵日記には、その夜ルームサービスのディナーで食べたものが書いてある。このホテルの主要レストランはすべてルームサービスを試した。すべて上々である。ルームサービスメニューに記載なくとも、直接レストランへ出向いて相談すれば全て解決。この日は、フレンチ・イタリアン系だった。ラムステーキ・ビーフのフィレステーキ・ラビオリ・サラダなど食べている。Webで見て、レストラン名思い出す。Pacifica Grill and Barであった。ラム・ビーフとも柔らかく穏やかな味付け。どちらも、皿と肉の間に固めのパンケーキが敷いてあった。
ルームサービスディナーにて2回、広東料理の麗寳軒Lai Po Heenのを頼んでいる。ここでは、本もんのフカフィレスープを飲めたのが良かった。くらげのような物体がぽかんと浮いている。我が家得意のレトルト フカフィレ スープとはわけが違う。値段も無論スーパー水準ではなく、このディナーの請求書の半額近くを占めている。さらさらした液質ながら、かなり濃厚なコンソメ系の味で、はまぐりのお吸いモンというような一枚岩の味ではない。他には、海南チキンライスとか、海鮮系五目ソバに、春巻きなど、基本味を種々試した。どれも合格点と思う。ひとつだけ疑問だったのは北京ダックである。これも値段は一流ながら、何か皮が柔らかい。以前の中国政府基準(?多分)の北京ダックのカリカリ感とは別物のようである。北京とは違って広東ではこれが標準なのを、こちらが知らなかっただけのような気がする。飲んだのは紹興酒。興の読みがわからず、チャイニーズ・ライス・ワインなどと言ってしまった。これからは、シャオシンチューと呼べる。
また別な日には、ビバズ キャフェからマレーカレーを取り寄せる。甘系と辛系のどちらも試した。インドのカレーよりも現代日本のカレーに、比較の問題で、相対的に「少しでも近い」と思う。ある日の午後、私とお嬢だけ別行動して、プールのあとホテルとペトロナスタワーの接合部にあたるモール(Suria KLCCスリア Kuala Lumpur City Center)へ。ここで、以前に長蛇の列(主にビジネスパースン)を目撃していた広東+マレーレストラン(Madam Kwan's マダムクワンズ)へ。この辺りはクアラルンプール(KL)の丸の内みたいな所である。マレー・華人・インド・ヨーロッパ系の人々が皆ネクタイして行きかう。カルチェとか高級店も並んでいる。2時近くで、すいていた。ここでは、ベーシックなチャーハン(Fried rice)とラーメン(Plain soup Noodle)を試す。秀逸。量も多い。しかし、お嬢ひとりでラーメン平らげた。飲んだのは、ローカル産のタイガビールと、お嬢にはオレンジジュース。
マンダリンオリエンタル ホテルでよかったことは、インターネットで予約した時にSeasonalシーズナル何とかというパッケージを選択したことである。これには、一日5点までランドリー無料とか、毎夕5-7時のクラブフロアでのドリンク(ハイティーとも飲茶とも呼べる)に出入り出来ることとか、おなじフロアでの朝食など、ベネフィットがいくつか付随する。このクラブエリアは、眺望・家具とも抜きん出ており、ピッコロお嬢が床を徘徊しても心配要らない。ここで、果物・生野菜・本格的広東飲茶・マレー風点心・寿司・サンドイッチなど、何でも飲み放題食べ放題となる。ワインは新世界産のが数種類出ていた。ビールも水も取り放題。しかし2時間も粘ったりすると、さすがにスマートとは言いがたい。無線LANも通っている。ここでまた、遠くのジャングルと至近の建設工事を眺めては感傷にふけるのであるが、バチンという皿とグラスの衝突音で我に返る。一枚も割らなかったが。ホテルの隣は広大なKLCCパークなので、緑も多く目に入る。このパークには遊園地スペースがあり、明日はあの滑り台へ行こうなどとお嬢が計画を練ったりもできる。てな具合で熱帯での怠惰な正月休暇の後、関西空港にてまた冬に逆戻りである。
2004年8月お嬢・ピッコロお嬢を連れて山中温泉へ一泊旅行。立派な庭のある旅館・胡蝶で、露天風呂付きの部屋を楽しむ。もちろん和食ディナーであるが、一皿だけフレンチなローストビーフという仕掛けがしてあった。お嬢には、私と糸公のコースのミニ版が供された。ミニといっても、お嬢は全部食べきれず、半分くらいは私の口に入る。よって、私は1.2人分くらい食べて、量的にも満足した。寝具含めて、お嬢は大人の半額で、ピッコロお嬢は赤ん坊用布団のみ無料で供された。
ワインリストもあったのだが、実質は部屋の冷蔵庫にあるボジョレヴィラージュと無冠シャブリのそれぞれハーフが全てという感じで、仲居さんもしきりに「ワインは慣れていない」と連発する。それら一本ずつを飲んだ。ここは持ち込むか、または素直に加賀の銘酒を選ぶかという場面だった。けど、よく冷えていて文句なし。
次々持ち込まれる料理は、味もさることながら、器がまた素晴らしかった。お嬢にも同じ器が供されたことは、写真のとうりである。床の間には、よさげな一輪挿しが飾ってある。また、旅館の至るところに大型陶磁器が置かれ、さながら美術館である。蔵を改造した部屋が、陶磁器博物館になっており、こちらは「さながら」ではなく、「そのもの」である。長者の別荘→料亭→旅館と変遷したらしく、陶磁器の蓄積と活用には瞠目すべきものある。
お嬢用の浴衣も用意してあり、こちらは「かわいい・かわいい」を連発し、上機嫌で着ていた。濃いピンクに赤の帯というのは、随分シックで大人びて見える。
ロンドン:食料品店 Fortnum & Mason フォートナム メイスン 内のレストラン
2年前の冬のこと。糸公はチッキンパイを、私はステーキパイ(写真)をランチに食べた。お嬢は、何かパスタをコーラでちびちびやっていた気がする。そこらのパブとは違い、屋根だけパイというのではなく、家の壁に相当する部分までパイでできている。
イギリスは何と言うても、パイがよろしおす。ビターかワインか迷った末、結局ワイン。隣の老夫婦はビターで、フィッシュ&チップスに挑んでいた(かなり大型で大盛)。これも捨てがたいディッシュに見えた。そこらのテイクアウェイで食べてまずいと思っている人は、これで目覚めよと言いたいところ。
左上に立っているワインはハーフで、拡大すると1999年AC Haute-Medocまで読めるが、それ以上は不明。年代記をつけておけば、と今ごろ後悔。右上のコップ(ビーカー)にはコーラ。
(2005/7/8 uploaded)
The Glasshouse (Kew, Greater London)上に先行している。糸公とお嬢が来る前の日曜日に、Royal Kew Gardens(ロイヤル・キュー・ガーデンズ)へ行った。Gardensと複数形たる所以は、中に日本庭園やパゴダ付き中華庭園含めて各国別にいくつも小庭園があるからだ。冬には花が咲いているわけもなく殺風景である。唯一の救いは温室で、熱帯含めて世界中の植物が茂っている。それに、古い(多分ヴィクトリア朝の)温室建築として興味深い。ロンドン動物園でレンガ建ての古風なキリン舎が味わい深いと同様な意味で、ここも見る値打ちがある。人の気配も少ない、だだっ広い植物園の中を、ぐるぐる歩き回った。
腹がへったところで、チューブ地上区間の最寄駅(Kew Gardens)へ。駅前には、ミシュラン星1個(当時)のThe Glasshauseがある。予約なしに、おひとり様で入る。サンデーランチ満員御礼の最後のパーティーだったようだ。何かのサラダと、ビーフのローストを食べたと思う。ビーフにはパイのようなものが付いていて、構成要素としてはローストビーフということになるのだが、オーセンティクなそれではなく、コンテンポラリにアレンジされていたように思う。しかし、ブリティッシュ料理に違いはない。レシートから、飲んだ渋ワインが、グラスでブルゴーニュ・アリゴテ白と、シャトー・ベルグラーヴ赤であったことを今再認識した。赤のChateau BelgraveはHaut-Medocの5級グランクリュ・クラッセである。結構良いのをグラスワインで出してたのだな。値段も7.5ポンド1500円と立派だ。しかし、味の記憶なし。レシートのプリンタ幅がもう少しあればヴィンテージも印字できたはずだ。実際、アリゴテの方は、90何年の9まで印字出来ている。
上の続き。The Pereseverance ザ パーシヴィアランス(忍耐力)という名のパブ。ロンドンは大英博物館から徒歩10分程度 (63 Lambs Conduit St London WC1)
パブらしい内装であるが、本格的なレストランとしても機能している。というか、パブ免許を有し、バーを充実させたレストランというべきである。よって子供連れ込みOK.。ここでは、サンデーランチの時だけ、ローストビーフをやっている。これが、質量ともにすばらしい。特大のヨークシャーパイ付き。このようなイギリス的郷土おばんざいを食べる場所として、パブが最もふさわしい。ここは、保証付きのグルメパブである。グラスワインも6−7種類チョイスがあり、オーストラリアと南アフリカ産の赤を飲んだはずだが、銘柄は忘却のかなた。写真でお嬢が食べているのは、特大のポテトチップスで、メニューでの名称はSumo Chipsである。相撲の名の通り、横綱級の大きさである。4歳足らずのお嬢の拳よりも大きいのもあるようだ。
これはWallece Collectionの近くで、古いショッピング通りであるメリリボーン・ハイ・ストリートにある。リージェントパークや音楽学校からも近い。一回はコンロン直営店で、住宅リフォーム展示場みたい。その2回にでかい窓の明るいレストランがある。ミシュラン星ひとつ。食べたのはランチコースで、メインは鯛(beams)のポワレ(?)だった。一皿目で、グラス白のBergerac 2000年(これはボルドーの東方で、AC Bergerac)を飲んでいる。ソムリエが、ビームスにあわせるべきグラスとして薦めたのは、シャッサーヌ・モンラッシェ赤。赤グラスで頭抜けて高かったと思う。一杯2400円もしている。ビームスとの相性良く、「ブルゴーニュ赤と魚の親和性」神話が、こうしてまた強化された。1万円ぴたりくらい。まあええ線やろ。なんせ、2003年のブリタニアは、ここ数十年未曾有の経済発展を遂げ、住宅バブルが進行中なのだから。何か80年代と比べて、格段に物価が高い。
ピエ ア テール(ピエタテール)って、どういう意味だろう。このミシュラン星2個レストランは名前からして、フレンチである。ガリア語でピエは足、terreは地面だから、さしずめ、地を足につけて(経営している)とでも言いたいのか。バレエ用語で、一回転ずつ足をア・テールに(床に)おろして連続して行うピルエット(おじなじみの、くるくる回るやつ)という意味もある。他にもありそうであるが、調べても何を食べたか思い出せるわけでもないから中断。場所はケインブリッジ・サーカス、ソーホーなどから歩ける距離。
内装・ウェイターの雰囲気・客の感じや服装など、すべてスピード感があり、いけいけのバブルという感じもする。ガリアの3つ星という、落ち着いた濃厚なサービスというのとは世界が違う。星2個とはこんなもんや、とするのは誤りと思う。この見せはこのコンテンポラリ感が売りなのだ。居る人来る人皆、黒をまとっている。大きなパーティーもいくつかある。そうとうな活気である(まあ土曜だが)。22時頃ひとりで入った。2回転目で座れると思ったところが、さらに一時間後に来いという。23時からはじめたディナーは翌日に終了した。座って、まずcoupe(シャンペイン;ションパーニュ)を飲んでいる。何を食べたかは、Set Dinnerとしか記載がなく、思い出せない。大きなお皿に美しい盛り付けだったのは確かだが。ワインはグラスで一杯だけのようだ。そのくせ何かチョコ入りデザートを注文している。1万5千円くらい。慌しくて味わえず、敗北。浪費に終わった。
これは名前の通りシーフードレストランであり、チェーン店を構成しているが、品質は高い。ロンドンでは他に、テムズ川下流の再開発エリアのオフィスビル内にもある。ロンドン橋はかつては、シティーへの関所として機能していた。このあたりは関所通過に際して、素直に待つ人や暗躍する人で賑わったところであるのは、シャーロックホームズに書いてある。現在、かつての暗躍場所であったとされている宿屋が、観光パブとして賑わっている(ジョージイン)。バラ・マーケットはお世辞にも美しいとはいえないが、レストランはその中にあってガラス張りの温室のような隔絶空間を作っている。無論、中は明るく清潔。
ここへは2回行っている。一回目にひとりで食べたランチは、まず生カキ。ついでドーバーソール・グリル。これは特大で味は秀逸。値段も4000塩飲んだシャルドネ・カラフ500ccの、montroseとはDomaine Montroseであり、この醸造所はPézenas (ville de Molièreモリエール市?)にある。地中海からほん近いla commune(郡か?) de Tourbesに属する。ボルドーのChateau Montroseとは無関係のVin de Paysである。
2回目の時もランチだが、糸公・お嬢連れ。レシートは印字がほぼ消えていた。フォトショップの魔術でギリギリ読めるようになった。Calamari(イカフライ)とサーモンマリネ。メインは糸公がドーバーソールで私はホタテ貝炒め。500ccカラフでハウスワインのソーヴィニョン・ブランを飲んでいる。
ドーバーソールには糸公も満足げだった。4000円と値段も立派だが、十二分に値打ちある。グリル用には魚の名前がいくつも書かれており、およその重量を指定して注文するようになっている。レストランの中央にはバーもあり、その向うが開放の調理場となっている。自分の魚がグリルに載ってるのをちらちら見ることができる。リーズナブルで実質的レストランと思う。しかし、ガラス張りの温室セッティングといい、バーの配置といい、いつ何時でもファッショナブルにグレードアップ出来そうである。というか、ディナーではそうなるのを、知らんだけかも。
2002年7月ディズニーシーに隣接したホテル・ミラコスタに泊まる。快適だが高い。3泊素泊まりで10万超えている。ちょうど台風来襲と重なり、園内がらがらで、待ち時間は殆どなし。糸公は前に来ており、待ち時間ゼロが信じられない様子。お嬢3歳は無論初めてだが、私も初めて。ホテルや両パーク内のレストランあれこれ試す。到着後、まずは、ミラコスタ内のレストラン・オチェアーノへ。ムーンライト・ベイ・ディナーというムニュに、ソアーヴェクラシコとキアンティをそれぞれハーフで飲んでいる。中身は全く思い出せない。外ではミッキーマウスが指揮する花火ショーをやっている。やがて、シーの中央火山が噴火して終了(写真)。
お嬢が、ミニーちゃんの家などでうろうろしたり、ブタさんとたわむれたりする間に、私は単独行動を狙う。お嬢の機嫌を覗いつつ、3日間に渡り、スペースマウテン(スペースマウンテン)などメイジャーな乗り物を次々試せた。シーの火口から飛び出すジェトコースターには少々冷やりとさせられた。これは、乗客が私ひとりやったのではないかな。次の日は、これも同ホテル内のベラヴィスタ・ラウンジ。ベラ・ノッテという名のムニュに、芸のないことには、また同じソアーヴェとキアンティそれぞれハーフを飲んでいる。ハーフで3500円とはかなりの値段やね。
3日目ランチは、シー内のマゼランズ。ここが一番良かった。何がいいといって、ここの内装がすばらしい。何かおとなの雰囲気がする。味も良好。多分、ビーフのローストだったと思う。ここで、遅くまでこってり食べた。
従って、3日目ディナーは軽く、シーパーク内のリストランテ・カナレットで、ソーセージ・ラビオリなど。
ランドでは2日目に、ダイヤモンドホースシューでランチしながら、ミッキーとかが客席に来るのに行っている。もちろん、このセッティングを楽しみに行くのであって、食べ物は2の次。他に、不思議の国のアリスかスペードの女王かなんぞのレストランンも面白かった(特に内装が:写真)。ただし、食べた冷製スパゲッティいまいちだった。
結論:マゼランズへ行くべし。
パリ: Arpegeアルページュで昼ごはん
4年前。電話予約で、当時2歳のお嬢を連れて行く旨の承諾を得る。比較的目立たないところにテーブルを取ってくれた、お嬢用の椅子もある。あらかじめよく食べさせておいたこともあって、最初はおとなしく座っている。室内は狭いが、ミシュラン星3個らしくキビキビしたサービス。まずはションパーニュで乾杯とばかりに、何も考えず注文した。糸公は笑みをたたえて旨そうに飲む。
お品書きには興味深げにあれこれ並んでいる。ムニュもある。何か魚がメインだった(サーモンかな)。糸公は、早々とムニュがいいと言って、こちらは拍子抜け。が、私は子鳩(Dragee de pigeonneau a l'hydromel ドラゲ ド ピジョノー ア リドロメル)に気付いて、これを選択。やっぱ正しくはドラジェやね。イドロメルは蜂蜜酒。上の写真をクリックすると字が読める。第一皿を何にするかかなり迷ったが、せっかくだからオマールにしてやろうと思った。ワインは昼間からボトルとは考えておらず、グラスにした。レシートを発見して、驚いた。グラスワインのヴィンテージまで書いてある。Chateau de Petit Bocq プティボック1997 (St Esteph; rouge) とMalherbe マレルブblonc 1999 (多分Chateau Malherbe, Cotes de Provinceコット ド プロヴァンスと思う)を飲んでいる。何とは始めのションパーニュは、ヴィンテージものだったではないか。Billecartビユキャール (ビユカール) はかなり高級であることも今判明。しかも1990年はゴー・ミヨのガイドではEXceptionnelの最高評価ヴィンテージである。何たる失態。もっと味わうべきだった。糸公の笑みは、味をわかった上でのことだったのか?わからんもんですな。ただしお代も一杯3000円という豪華さ。
小鳩ローストのドラゲ (ドラジェ)は、カリカリの包み揚の蜂蜜酒ソース仕立て、となっていてかなり満足。ドラゲ(ドラジェ)というコンセプトは和菓子にもある。祇園・亀屋清永の清浄歓喜団という菓子は、この中身の小鳩を小豆餡におきかえたようなものだ(リンク先は京都の茶・菓子文化と中華圏グルメの美しいブログ)。デザートに移る頃、お嬢うろうろし始める。隣のテーブルとかのぞきに行く。帰ってくる。別方向へ行って帰ってくるの繰り返し。グラスも皿も割らずに2時間以上、お嬢よく頑張った。店のスタッフも終始にこやかで助かった。全部でFFr2740。約5万円か。
上の続き。パリでは7区に居たので、アルページュも含めて、あたりのレストランを試した。中でも、このベルクールは当時ミシュラン星1個ながら、手ごろな価格と、店の忙しさ、それに常に満席の混雑具合から、相当なコストパフォーマンスのよさが偲ばれて、第一のお気に入りとなった。3連荘した。1回めは、糸公とお嬢の到着前で、おひとり様にてディナー。メニューはFFr240のムニュ(プリフィクス)のみで、第一皿・第二皿・デセールにそれぞれ3−4の選択肢がある。一回目はフォアグラ・ポワレだったと思うが自信ない。かなり濃い色のソースだったような気がする。渋ワインは何かをハーフボトルで飲むと言ったところ、一本抜栓して、目の前に置き、半分だけ飲んでくれと言われた。星ひとつでこの豪快さが、また気に入った。
かなり満足し、糸公とお嬢の到着翌日、またディナーを電話予約。2歳のお嬢付きも確認した。この時は、これまた濃いソースのかかったポークローストで、香ばしい。ワインは、ギガールのコート・ロティ1995を注文している。これが素晴らしくポークと適合して感涙モノだった。コート・ロティは別なヴィンテージもあったのだが、1995は高い方だった(支払いFFr1020の半分500を占めている)。なんだかワインリストにローヌ系が充実している。店名のベルクールは、リヨン中心の広場と同じ名前である。推測するに、料理の多くは(というかウリは)、多分リヨン地方お晩菜(おばんざい)なのだと思う。それでローヌ系が抜群の相性なのだろう。どろっと濃いコート・ロティに合う皿はざらにあるわけではない。京のおばんざいでは皆無にひとしい。糸公が何を注文したかは全く思い出せない。糸公は、このポークを一口食べてにったり笑っていた。
3回目は、今回のパリ行きでお世話になったパリジャンのカップルを招待した。この時、自信をもって2名のゲストに上記のポークを奨めた。私は子羊のローストだったと思うが、同様な黒い濃厚ソースだったと思う。この時はシャンパーニュで乾杯の後、コート・ド・ローヌ(ギガール)とケチっている。ゲストとあれこれ話さないといけないので、味わうという状況ではなかった。そうこうするうち、ついにお嬢グラス割る。店の人が来て、モップでさっさと片付けた。これへの「おしるし」として、アメリカ水準(10数パーセントくらい)に近い額を、アメリカみたいに上乗せして払っておいた。欧州で我々は、こうしたネガティヴ・サプライズを引き起こした場合に限り、支払いを上乗せしている。
京都市左京区にもベルクールというレストランがある。外装・内装ともフレンチで洒落ている。一度行った事がある。味に満足したものの、何を食べたか忘れた。サンセールの白を飲んだ。リヨンのおばんざいを目指しているかどうかは不明。
イタリアンのギルドと同じ通りの同じ側に面しており、至近。一回は地下のダイニングルームへ降りていったように思う。凝った内装で、パリの感じではない。プロバンス風の民芸調なのかもしれない。いすれにしてもカジュアルな雰囲気で若者多し。満員。えらい人気のようだ。飛び切り安くもないのだが。料理はカジュアル・コンテンポラリで地中海系という感じ。レシートは2枚出てきた(クリックで拡大)。左では、CROSTINIがいきなりわからん。ああ、バゲット切ってオープンサンドにするのか。まあ食べても忘れるやろな。パテ・スープ・魚。今日のスぺシャル見たいな感じで、結局、具体像は見えない。飲んだワインもFIL.が何か検討つかない。
右のほうは、CALAMARS(イカのフライ)・ツナの何か(B.)・タリアテッレ(どうもホワイトソース系)・串焼きバーベキューみたいの・EMINCE肉薄切りか、など食べている。飲んだのは明確にプティ・シャブリである。当時(今も)、お嬢を静めるにはパスタが一番であった。
結局、この店の人気の秘密は、不明のまま。